顔も身体も髪も痩せた小さな男の子と女の子が現れて
私の前に立って
男の子は右手をまっすぐ伸ばし女の子は水を受けるように丸くして
両の手を私の前に差し出す
きっとすごくお腹が空いているのだとわかっていた
ポケットに手を入れて歩いていた私は
急いでポケットの中をまさぐるフリをしていたけど
そこには独りぼっちの指しかないことはわかっていた
私はただ立ちすくんで目の前の裸足の指に目を落とす
またいつもの悪夢のリフレインだと判っていても
そしていつものように砂のようになってこう言っているの
ごめんね
わたし
この命しかあなたたちにあげるものがないのと
譜奏250