悪意のある行動になるのかもしれないと気づいていても
その誘惑の強さに抗えない本質を支えているのは
恐らく人間しか持たない憎しみという遺伝子だ
長く続いてきた人類の歴史の中で
何故この遺伝子は引き継がれ生き残ってきたのだろうと思う
生き抜くために必要とした過渡期があったのだろうか
それとも分別のための安易な神の試みか
私は私の心を考えた
目の前で哀しい憎しみを目撃したからだ
探られた私の心は眠りを妨げられた子供のような顔をしていた
キレイな月の夜だったのに
雨上がりのキレイな風が私の頬をくすぐっていったのに
私は意味なく流れる涙を拭えないまま思っていた
愛の陰にそんな生き物などいるはずがないのにと
譜奏249