2018年6月13日

細い雨のように弱々しい青春を流して

強い風に追われるように顔のない大人を生きて

大きな墓石のように見える街を見た

私の帰る道は冬の足音に削られて

私を忘れようとしている道

私と似ていない長い髪の影が続くから

決して後ろを振り返ってはいけないと

息を穏やかに保つ声がする道

生きるということが

数独パズルのように

たった一つの集約を示すものなら

私はどんな苦しみにも諦めない意志を持つ

名も無い道の石がやがて砂になっていく約束の

時の区切りを必要としていると知らされていても

 

譜奏232