細い雨のように弱々しい青春を流して
強い風に追われるように顔のない大人を生きて
大きな墓石のように見える街を見た
私の帰る道は冬の足音に削られて
私を忘れようとしている道
私と似ていない長い髪の影が続くから
決して後ろを振り返ってはいけないと
息を穏やかに保つ声がする道
生きるということが
数独パズルのように
たった一つの集約を示すものなら
私はどんな苦しみにも諦めない意志を持つ
名も無い道の石がやがて砂になっていく約束の
時の区切りを必要としていると知らされていても
譜奏232