愛が売り買い出来るモノだったら
きっと買う側が圧倒的だろう
車のようにいつまで使えるかが価値のように査定されて
繰り返し繰り返し貪欲な需要者たちに引き渡される
与えられた呼吸はいつまでも繰り返されることはないのに
愛も当然のことながら永遠の息をループする訳ではない
だから売りに出される動機は比較とばかりは言えない
下卑なる者たちは生き延びるために
永遠に走り続ける車を探そうとしている愚かな者たちだ
真実は見た目と違い知るだけでは解決しない
数字化は死の枝だ
人間がいつまでも知恵の樹の実の誘惑に勝てないのは
起源の園の時から今に至るまで
少しも変わっていないその無知なる貪欲さにある
譜奏217