2018年5月7日

月光が降る夜に生まれてきた人形にルナと名付けて

カーテンを黒の遮光に変えて日常光を遮って

ドアを固く閉じて鎖鍵をかけて

部屋の静寂に祈りの衣を纏わせた

揺れないでと言ったり

揺らさないでと言葉を使ったりした

偽りは通じない

嘘の欠片さえ必要ない

私の静寂の血であるはずのルナ

月が私の命の痛みに刻印した

光だけの痣

愛を食べそのプロセスを知らずにはいられない人を避け

みすぼらしくなっていく私の祈りを知っても

私が眠るまではと強く抱いていてあげたのに

 

譜奏216