私を過ちに導く個性に出会ったら
私はそれまでの私をすべてリセットして
その過ちの殻に胎児のように閉じこもって
じゃれるように宿っていたいと思っていた頃があった
心の芯に通ったものならその正体など
問う必要があるはずがないとさえ
私は真剣に思っていたと思う
言葉にするとあまりに不可解なのに
心ははっきりとその希いに馴染んでいた
私は偏狭の中で迷って正常な価値に対する位置が
解決されていなかった人間なのかもしれない
振り返る度に私は私を見失なう
意を決して導く力を夢のように待つ私を捨てるべきなのだろう
たとえ罪に触れてこの夜を身ごもっていたとしても
譜奏215