2018年4月25日

波の刃が沈めた船がゆっくりと

踊るように海底に向かっていく映像を

私は繰り返し夢の中で見ていた

これは夢だと知りながら

叫んだ声が雪のような水泡に変わっていく景色を

美しいとさえ思いながら

ドアが開いて

誰かが入ってくる気配がして私は目を覚ました

犯人は風の軋みの残響が私の耳にぶつかって

私自身の意識が圧縮した中音の抵抗音だった

私は現実の中で生きていない

今日もまた私はそう思って

夢だと分かっていた雪の華を惜しむように

ペットボトルの水を半分飲み干した

 

譜奏211