50音の頭文字を色に置き換えて文を書いたら
赤から始まってしまうことに気がついて
言葉は色より格下なのだと一人
気がついてしまったような気がして
私はなんでもない時間を何をすることもなく
ただぼんやりとしている私に付き合っていた
タトゥーを消した痕のような宵が過ぎていく
天井扇風機が鉛の花に見える大好きだったコラージュを
どうして忘れていたのだろうと思って思い出して
人間が1000分の1秒にまで留まるには
私そのものがジフィーに身を投げるしかないと思い
それならそれで良いと思った
色彩は天の配備と認めて言葉は人の作り物
問題は私じゃないと思った
譜奏212