2018年3月30日

父を亡くした頃

私にまとわりつくように聴こえていた歌があった

英語が得意じゃなかった私は

暗い気持ちで見たその頃の景色とともに

聴き流しそしてその歌を忘れていった

あれからあの歌は聴こえない

誰の歌なのかも私は知らないままに

そして呆気ないほどの速さで過ぎていく時の背を追うように

私は新しい希望をみつけて生きていた

私には未来という景色しか見えていなかった

今日少し良い事があって弾んだ気持ちで歩いていた時

私は一瞬大きく息を飲んだ

私は口ずさんでいたのだ

その存在さえも忘れていたと思っていたあの名も知らぬ歌を

 

譜奏200