父を亡くした頃
私にまとわりつくように聴こえていた歌があった
英語が得意じゃなかった私は
暗い気持ちで見たその頃の景色とともに
聴き流しそしてその歌を忘れていった
あれからあの歌は聴こえない
誰の歌なのかも私は知らないままに
そして呆気ないほどの速さで過ぎていく時の背を追うように
私は新しい希望をみつけて生きていた
私には未来という景色しか見えていなかった
今日少し良い事があって弾んだ気持ちで歩いていた時
私は一瞬大きく息を飲んだ
私は口ずさんでいたのだ
その存在さえも忘れていたと思っていたあの名も知らぬ歌を
譜奏200