スタンドの明かりの陰
遮られているのに何かが動く気配のある陰
穏やかな夜の中の僅かなノイズ
身体の全ての力を抜けないように
完全なる安寧は人には与えられていない
読みかけの本の影をその陰に覆い被せて殺して
私は次のページを剥ぐようにめくる
物事には必ず結末が待っているという摂理のような現実の犯人は
寄せ集められたノイズが
亀裂にまで成長していく習性を持っているせいだろう
まさか禁断の林檎を食べた罪のルールが
まだ継承されているとでもいうのだろうか
そうであるのなら神を含め
感情に自然死はないということになる
譜奏148