2019年2月4日

都会の雑踏に揺れて

誰しもが旅人の孤独な手を

忘れられた何かを

空に隠すように

背に映して

流星ーーー

罪あれば

北風に怯えるように深く

私の胸を波立たせていて

あなたが捨てた光のようにでも

運命を絵にしたら

私の指先には

どんな色があどけもなく

踊っているの

 

譜奏333

2019年2月1日

枯れない絶望

恋をオモチャにして

生きてきたの私

偽りの花をみつめて

荒んだ女を演じて

人魚のように月に祈って

キレイな絶望

崩れるね

無垢なほど

与えるものが失くなると

呪文から逃れるように

そして愛してる

忘れるまでの思い出だけでも

シャルトリューズにと

 

譜奏332

2019年1月30日

夜明けに青い蝶を見たの

本当の色を隠して

何かに紛れながら

愛せない街を歩く私を

見送るように

咲いて散ればいい花より

刻んだ血を忘れた

淋しいタトゥー

指先でなぞっても

ノンキャラット

雨音

そんなに跳ねても

悲しいだけのリズム

私だけに

 

譜奏331

2019年1月28日

夜に永遠に抱かれるように

蒼くしなやかな熱を

身体に宿して

初めて開けた真実の箱

女優の生を映す紫の水面に

私はあどけなく揺らいで

凛として咲く花化身の幻を

命の影を追うように

その虹彩に写し撮っていた

たおやかな流星が

たとえ罪のように華やいで

息を閉じて眠ってしまっても

この熱はしなやかに高じて

永遠の夜に抱かれているだろうと思いながら

 

譜奏330