風に祈っても
置き去りにしても
愛は誰の胸にあるの
心の刃で言葉を削って
振り向いた声に
零れた涙が
雨の化石のよう
自分ひとりで生きると
息を殺して閉じた
唇が
生け贄のように
悲しみを知るの
眠る赤のように
雨の化石のように
譜奏337
風に祈っても
置き去りにしても
愛は誰の胸にあるの
心の刃で言葉を削って
振り向いた声に
零れた涙が
雨の化石のよう
自分ひとりで生きると
息を殺して閉じた
唇が
生け贄のように
悲しみを知るの
眠る赤のように
雨の化石のように
譜奏337
美しく流せるなら
涙さえ虹のように
愛に彷徨い歩いて
フラスの森に
キラキラと
夜明けを拒む
摩天楼
消えていくように
落ちていくように
両指で作った月
愛さえ悲し人のよう
フラスの森の
背を抱く
摩天楼
譜奏336
夕陽を壊して私をみつめる
紅い絵の中の海が見える
憶えていますか
終の夢を
春の風に踊るように
抱きしめた夜を
永遠に生きて何かになり
紅に身を投げて
いつかの終わりに
砂に永眠るから
時は何故
流れるの
私を
棄てて
譜奏335
悲しみと踊るように
祈りを紡いで
愛だけを裏切っても
星が消えるのは
夜の血を贖えないから
月に巻きついた
黒い余白のように
息を潜めていても
希いさえ解けないの
水の翼を背に描いて
蒼を見上げる私を
絹を溶かすように
やさしく棘刺す
誘ないのキメラ
譜奏334