2017年9月6日

自分が年老いる実感を認めた夜

私は咄嗟にカーテンを破るように開け

蒼白く滲む半月を見上げた

あなたは

変わらない

少なくとも100年ぐらいの間は

追いかけるように生きてきた時間が

費やされるものに差し替えられることを

素朴に認めなければならないことに

鼓動に反応した心臓から血が引いていく

傷ついた花枝を手折るようにでも

誰か言って

私は魔物の矢に酔って

熱の夢を見ているのだと

 

譜奏111