自分が年老いる実感を認めた夜
私は咄嗟にカーテンを破るように開け
蒼白く滲む半月を見上げた
あなたは
変わらない
少なくとも100年ぐらいの間は
追いかけるように生きてきた時間が
費やされるものに差し替えられることを
素朴に認めなければならないことに
鼓動に反応した心臓から血が引いていく
傷ついた花枝を手折るようにでも
誰か言って
私は魔物の矢に酔って
熱の夢を見ているのだと
譜奏111
自分が年老いる実感を認めた夜
私は咄嗟にカーテンを破るように開け
蒼白く滲む半月を見上げた
あなたは
変わらない
少なくとも100年ぐらいの間は
追いかけるように生きてきた時間が
費やされるものに差し替えられることを
素朴に認めなければならないことに
鼓動に反応した心臓から血が引いていく
傷ついた花枝を手折るようにでも
誰か言って
私は魔物の矢に酔って
熱の夢を見ているのだと
譜奏111