2017年8月28日

人は概ね死を語ることを避ける

どんな理由を言ってもそれは死を怖れているからだ

死の恐怖に侵されて生きるのは愚かには違いない

叶うなら人は概ね永遠に生きたいのだから

潮騒の遊ぶ砂浜を

薄い白のワンピースを着て歩いていたら

貝殻で足を傷つけて

私は膝を立てて砂に腰を下ろした

陽射しはカモメが連れ去り空は鈍色に近づいている

私は横たわり波音を並列に聞きながら

こうしていればいつか波が私を拐っていくだろうと思っていた

それが死が欠けることでも満ちることでも

ただ眠るように

たとえ今が夢でも現でも

 

譜奏107