どこかの森の中に迷い込んだように
私は髪を括り上げ
葉音を揺らす風のように
舞台の袖から歩き出していた
私は彷徨っている
この僅かな歩幅を繰り返す毎に
私はその自覚を確認する
真っ直ぐ歩くのに辿れない
辿れないのに
同じ音しか続かない
円のようなこの森を私は歩く
巡礼者とすれ違うように
心に透明なニカブを
被うように
譜奏94
どこかの森の中に迷い込んだように
私は髪を括り上げ
葉音を揺らす風のように
舞台の袖から歩き出していた
私は彷徨っている
この僅かな歩幅を繰り返す毎に
私はその自覚を確認する
真っ直ぐ歩くのに辿れない
辿れないのに
同じ音しか続かない
円のようなこの森を私は歩く
巡礼者とすれ違うように
心に透明なニカブを
被うように
譜奏94