2017年7月31日

生きる時間の中で

自分の持つ希いや欲望の

本音や本心を口にすることは

稀な出来事と言っていい

ならば

巷に溢れる夥しい言葉のほとんどは

そのエリアの外に属しているということになるのだろうか

宵の雑踏をガラス越しに見ながら

私はとりとめもなくそんなことを考えていた

信頼という言葉が

苛立たせる虫のように私の胸を落ち着かないものにする

人類が培ってきた遺伝子の中に

信じるという前提を必要としたウィルスを投げ込んだのは

やはり尊大なだけの神の不信体質のような気がする

 

譜奏95