2017年7月24日

穏やかな夜に

月明りと会える窓があれば

私は白く

丸い浅い器をその窓の中央に置き

鏡のように水を張り

その水の真ん中に角砂糖を一つ

音を立てないように

そっと置くの

やがて糖度が水面を膨らませて

月明りを分断していくのを

過ちのように悲しみながら

私の歌

月の熱

明日が最後の夜ならと

 

譜奏92