十字架に絡みつくアイビィのように
私の自覚していない欲望の形が
意味もなく整った構図になって
浴びた陽の葉先になって伸びていく
何故気がついた時には
私はいつも砂浜を歩いているのと聞いたのに
淡い色に同化していくのは一つの死と言えるから
悲しんでもいいよと海が言った気がしたあと
それは言葉にできることなの?と
私は言い返したかったけれど
自制するように海風が吹いてきたので
私はただされるがままに立ち竦んでいるしかなかった
構図の中で意識を持たない私こそが
最後のデッサンなのだと知ったからだ
譜奏91