2017年7月21日

十字架に絡みつくアイビィのように

私の自覚していない欲望の形が

意味もなく整った構図になって

浴びた陽の葉先になって伸びていく

何故気がついた時には

私はいつも砂浜を歩いているのと聞いたのに

淡い色に同化していくのは一つの死と言えるから

悲しんでもいいよと海が言った気がしたあと

それは言葉にできることなの?と

私は言い返したかったけれど

自制するように海風が吹いてきたので

私はただされるがままに立ち竦んでいるしかなかった

構図の中で意識を持たない私こそが

最後のデッサンなのだと知ったからだ

 

譜奏91