2017年7月19日

量子が遊ぶ点描のように

雨上がりのアスファルトの背に密やかに

淡く注ぐ落ちし煌き

月光色

私が確かにここに立っていることを認め

その本質へ向かおうと願うことを知る

仄かなだけの光

仮装とも言えず

本質とも言えず

そのどちらでさえ

どちらでもないと言えず私は

ただ光をなぞる

今はそれでいいと言葉になりそうな息を

月に殺して

 

譜奏90