2019年9月30日

混ぎれるように街の雑踏の中を歩いていると

つい自分の自分らしさとは何だろうと思ってしまう

こんなにも多くの人がいるのだ

その一人一人が的を得た自分らしさを見つけて

そんな自分を生き抜くことなど出来るのだろうかと思ってしまう

では何かの衣を借りて衣を装う生き方はどうだろうか

見つけなくて良いだけラクではあるがそれはダメだろうとすぐ判る

最初に借り物という制約がある時点ですでに致命的なのだから

やはり投げ出して逃げるということは偽わるということと同族だ

躓いても苦しくても哀しみの淵に落ちていたとしても

何かを演じて生きることは愚かな過ちなのだと断定する必要がある

人生に定式化させた小手先のアルゴリズムは通用しないと知ろう

そもそも人間には

自身を欺いて生きる完全犯罪など成立しないのだ

 

譜奏435