不満を抱え込むのが習慣になっているような生き方をして
悲しみを抱く人の心は暗い水面に滑り
揺らぐ微光のように無邪気に惑わされていく
崇高な哲学者を気取る運命は運命を与えるだけでは満足せず
結末を覗き込んで小心者の本質が暴かれる
私の不可解な衝動の一瞬に西風が止まって
一瞥して関心を持たずに消えた後
すぐに淋しさの断片を寄せ集めたような夢に落ちて
私は思い出しそうだった置き去りにした何かの記憶が
無数の海に呑み込まれて離れていく距離を感じていた
人の人生は
始まり方はいつも違うのに
しなやかに微光の群れが揺れるように
人の終わり方はいつも同じようになっていく
譜奏321