一生消えない悪意を感じた日がウィルスになって
人生という肉体を蝕むことが人には往々にして起こる
すべての人にと断定することは無理があると思いながら
断定しても差し支えないという手ごたえを感じていたりする
自身も含めて人が傷ついて苦しむ姿は歓迎できないけれど
そこから生まれてきた実りによって
人は人類は今を勝ち得たと言っても反論は少ないだろうと思う
そう考えたら悩み苦しめることは明らかに
人間が持つキラ星のような才能に違いない
そしてウィルスはその恵みの母体ということになる
進化することだけを動機とした人の遺伝子のテロメアは
浅はかなほどに単純で貪欲なキャラクターを発揮して
私たちに新種のウィルスを投げ込んでくる
疲れるが苦しみこそ未来の糧の種子ということなのだろう
譜奏304