自分の分身のように思っていたのに
一年に2度開花する青い花の名を忘れて
不道徳な望みを隠し持つようになった私は
私以外のすべてのものを塞いで
穏和な人格を隙なく演じることに腐心していた
人は生まれながらに二重の陰に織られていることを
暗い罪と決めつけるのは怠惰に過ぎるからと
私は私に叱るように話しかけて
何千年も森に迷い込んだままの音の精のように
愁いのようにやさしく風に響いて
時が枯れ落ちた樹葉の海を歩き回り
私の祈りが穏やかに息をしているその場所へと向かう
たとえ私自身がその音に同化していくと
嘆きのような精の聲を聞いていたとしても
譜奏303