2018年10月31日

話しかけてこない月に飽きて微睡みに落ちると

灰色に押されるような青い雲が風のように流れて

私はまたいつかの風景画の中に立っている

朝まで終わらない踊り子たちのリズムの性に紛れて

私は私が女でしかないと感じながら

ただその夜を愛するしかない自分に変えられている

しかし月明かりは夜明けまで待つことはなく

私は一度も踊ることもなくて

私は狂って笑うこともなくて

私は愛を感じることもなくて

心の比重に息切れしたようにフェスタから離れていく

そして合図のような小さな草の葉が揺れると

無邪気なカバキーニョに棄てられるような

さびしい加護の歌を聴くことになるのだ

 

譜奏292