話しかけてこない月に飽きて微睡みに落ちると
灰色に押されるような青い雲が風のように流れて
私はまたいつかの風景画の中に立っている
朝まで終わらない踊り子たちのリズムの性に紛れて
私は私が女でしかないと感じながら
ただその夜を愛するしかない自分に変えられている
しかし月明かりは夜明けまで待つことはなく
私は一度も踊ることもなくて
私は狂って笑うこともなくて
私は愛を感じることもなくて
心の比重に息切れしたようにフェスタから離れていく
そして合図のような小さな草の葉が揺れると
無邪気なカバキーニョに棄てられるような
さびしい加護の歌を聴くことになるのだ
譜奏292