2018年10月8日

過去から今に線を繋いで未来を警戒して

誰しもが自分を知りたいと希うことを

私は好意的な気持ちを持って同調してきた

私の好奇心の根の触角もずっとそこに向いていたから

その願望は疑いようがない位置にいて

考える余地の凹凸さえ感じることができなかった

何度か思い返してもその率直な実感しか残っていない

しかし自分が呼吸していることが動物のようだと腑に落ちて

今私が考え行動していることのすべてが

知りたい自分から逆線を引いた答なのではないかと思ったら

明らかに私の見当識が動揺して投射影のように

あっさりと実体を放棄していく信号波を出し始めていったのだ

何かの童話に似ていると思った

私はそのお話しの鳥籠にいた名もない鳥だったのだと思った

 

譜奏282