貧しい家庭に育って大人になっても貧しくて
そこから頑張ってガンバって名と財を成し
家族を大切に守り周りの人を大事にして
子供の時に忘れていた笑顔を実行している
おそらく他人からも自己採点でも合格の人
そして苦労人らしく気配りも丁寧でソツがなく
自分を客観視する力も持っている
どこから見ても申し分のない人物と言えるだろうと思う
しかし私は生理的にその人を苦手にしていた
詰まるところ彼は演じていたからだ
立体化しない人生に価値などあるのだろうか
私はそう思いながら彼と同じくらいのつくり笑顔を返しながら
結局垣間に見える自惚れ心が伴ってしまえば
それは傲りある愚かさと何ら変わらないのではと思っていた
譜奏276