2018年9月19日

午前0時の1秒前にアラームをセットして

明日を守るように夜空を見上げたのは

一目で魔法にかかる星が現れると信じていたから

死んだ星屑の悲しみの灰からは不死鳥が甦って

その光の粒がまた星になると信じて疑わなかったから

私を守れない今日が沈んで夜が落ちて

カリガラスに彫られた蔦模様の角線が

白紫の宝石のように輝いて曲がり線に引かれた後

会う人も行き先も思いつかない私は

指を丸めて空にかざしたつもりの白質の深層で

私より確かなわたしが私をみつめている視線を

知らない人のように見流して

雑然としているということが救いのような雑踏へと

ただ歩き出そうとしていた

 

譜奏274