木が裂けるような音がして
振り回されるだけの自分の五感を捨て
素直に感じる素朴な心の鏡だけを見ていようと思った
バランスを取って生きる
その信仰の毒には五感では作れない解毒が必要だ
これだけのことに気づくのに
私はどれだけの排他を罪のように繰り返したのだろうと思った
バイオリンの激しいノイズの塊のようなあの音は
私の鬱屈が弓の形になって吐き出されたものだ
あるがままに思うがままに偏っていく私になりたい
この場所に立ってワルツを踊るように一歩足を踏み出せば
きっと私を待ち焦がれていた私が
点のような私を見つけて遠くから導くように
手を振っているに違いないから
譜奏246