2018年7月18日

大事にしている人形でもともだちが欲しがっていたら

あげてしまう

買ったばかりの詩集をちょっと貸してと言われて

返してくださいとは言えなくなってしまう

胸が人より膨らみだしたことが気になって

ラインの出にくいふんわり服ばかり着て

恐がるように恋心を閉じ込めようとしてしまう

誰に何かを言われた訳でもないのに

そんな女が海を好きになった夏に恋愛中毒になって

それは降りそそぐ太陽の光のせいだと思い込んで

ときめきにのめり込むように眼差しを一変させて

性に渇くように身体を使い誘惑を食べ

ときめきが薄らぐことだけを怖れる女になる

欲しいと言われたらあげてしまったわたしの人形のように

 

譜奏247