ピエロが起こしにくる朝に
消えていく声が誰かを呼ぶ音が聞こえる
渇いた砂風の中で立っていた
裸足のストリートオルガンの少年が見ていたのは
私の視界の中の夢だったのか
それとも夢の出口にいる私を案じていたのか
哀しみのような切なさのような無力な目を
私は負担に感じて逃れてきたような気がする
人が持つそれぞれの原景にはどのような起因があるのだろう
環境というプロセスはどれほどに人を囚えるのだろうか
風の声が私の名を呼んでいるような気がする
何処へ行けと言うのだろうと私は怯えて
また時を裂いて夢の入口を探そうとする
ピエロの木靴の足音に耳を塞ぐように
譜奏220