2018年2月7日

雨にうたれた植物の油分が空中に放たれて

森の中のように芳香していた夜

私は裸足のままベランダに出て

何かの過ちを正すように

建物に遮られた行きどまりの月を見ていた

緩んで活気を失った血を排泄していくように

青く澄みきった冷気が私の身体に入れ替わっていく

その尖った音のような感覚が

私の舌の根のあたりに痛みを与える時

私は安堵して

獣のような深い気を吐き出して

しゃがんだ手で膝を抱えてまた夜を見上げる

ペトリコールに包まれて永遠に

その水面に映る姿をレイアウトするように

 

譜奏178