2018年2月9日

◯を×と△を□と言うような

明らかな嘘はついてこなかったような気がする

そんな明らかさには自分が剥がれていく軋みを感じていたからだ

そして私の周囲は誠実さに溢れていて

そんな嘘をつく必要も機会も

なかった気がしている

固形物のような真実という言葉とその背景に

まだ価値があると思っていた頃

私は人には真っ直ぐな一直線の道が

それぞれに与えられていると信じられていた

しかし冷静に思い返してみるとその正直な手応えは△に満たない

△が私の□に2つも3つも共棲していたという実感の方が

今寂しい玩具のようにしっくりと

胸に落ちているのを感じている

 

譜奏179