2017年12月27日

首筋に水が落ちた感触の後

目が覚めた私の視界を埋めたのは

夜明けまではまだ遠い深夜の冷気だった

暗い闇にしか見えない一面の黒にも鋭角に繋ぐ目があり

それが鼓動のように動きながら

闇の濃淡を支配していることに気づいてから

私は夜を怖れなくなり

むしろ棲み人となることを望むようになっていった

私と月との関係は

その鼓動から始まっている

こんな風に目覚めた蒼が呼ぶ夜は

私の女性らしさを奪い

向き合う者を弱めようとする感触を無視して

私はその聖水が乾く夜明けを待つことになる

 

譜奏160