風も景色もやさしい穏やかな日曜日
お気に入りのカフェのテラスでのんびりと
私は通り過ぎていく人たちを見流していた
白いスニーカーに当たった光が
この穏やかな日のすべてを祝福しているように弾けていく
どんな環境で生まれ育っても人は
最後にはやさしさに行き着く
呼吸するようにそう思えることがうれしかった
しかしそれを知っている私にさえ
やさしさは暗い顔を向けてくる
受け入れることを前提に成り立つものは
例えば娼婦の透けた瞳に美しさを感じた恋のような謎がなければ
その謎がなければ
成立しないのかも知れない
譜奏159