月が砕けやがて地球も太陽に吸収されていき
宇宙も遠い未来には時間を失くして無の海になってしまうという
そんなことを解明してしまう科学なんて要らなかったのにと
寂しがり屋の私はそう思ってため息をつくの
突き詰めれば私の希いの本質は永遠という憧憬にあったから
いびつなほどに欲が深いのだろうかと思って
ついたため息を吸い込んで首を後ろに倒して
薄くなったため息を白壁天井に向かって今度は音をつけて吐いているの
生きるって何なのかな
人間って何なのかな
このぐるぐる迷路こそが今の私にとっての永遠というスクリーンだ
いつしか眠ってしまった私は冷たいヴィヴィッドな夢の中で
カラダが砂のように打ち崩されていくスコールに手を広げて
敵意だけの目を見開いて色のない空を見つめ返していた
譜奏478