2019年12月30日

夜の闇に目を開けて天井の四角をめまぐるしく順に見て

止まらない空想を現実に近づけるほどに計画を立てて

空想が現実のような光景になって胸に落ちると

やっと安心して思い出したように眠るような思春期を私は過ごした

ある時は大劇場のバレリーナとして

ある時はスポットライトの中のヴァイリニストとして

今思えば本当に変わった女の子だったと言うしかない

誰しもが一度は夢見る光景を私は現実としてしか考えられなかったのだ

単に私の中の振り子が極端に偏っていただけなのかもしれないけれど

あれから数十年

驚くことに私の空想の振り子はさらに偏って生きる中心核に座している

今日はそんな自分が可笑しくて私はただ笑っていたのだ

明日死ぬなら私の心はきっと微笑んで太陽に向かっていくだろうと思う

たとえ翼を灼かれて堕ちていく天使と同じ運命だとわかっていても

 

譜奏474