日常は顕在意識で生きる他はなく
私はそんな日常に本当の自分を感じることが少ない
おそらく意識という空間は二極化で括れるほど単純ではなく
きっと緻密なプログラムによって作用し合っているはずだ
しかしそれを解明して名指す言葉が見当たらない
つくづく人の意識は原始にまで繋がっていると思わずにはいられない
それだけで人は最も秀でた素晴らしい対応体と言えるだろうと思う
必然的に私は潜在意識の中で生きている私と向き合っていることになる
そこに重力はなくまるで水膜に浮かんでいるような触感だ
空間そのものが血も肉も持たない生命体として息づいて
私の日常の思考を支配しているのだろうと思う
叶うなら私はその湖に棲む人魚になりたい
私の湖面は紫色の光に覆われているはずだから
私自身が魂のようにその色に同調していけばいいはずなのだから
譜奏429