2019年8月30日

習慣性の強い夢を思春期に得て

私はケモノ道さえ無いような雑林の中を強引に駈けて

どれだけ行けば何があるのかを考える思慮もなく

ただ目前のものにぶつかるように進んできた気がする

それが私の青春だったと言えばそう言う他ない

ある時身体の中なのかまたは別のどこかなのか

何かしらのダメージが残っている自分に気づいたことがあった

私は得体が知れないものを実感することに恐れて

懸命に意識語に変換しようと自身を探る作業を繰り返したが

それは探せば探すほどに遠ざかっていくもののようだった

解らないことは解らないのだからと投げ出していたある夜

私は夢で延々と街路樹が続く道を歩いて行く自分の姿を見て愕然とした

そこには決して等身ではない見知らぬ影が

異身のようにしなやかに私と対になっていたからだ

 

譜奏422