2019年7月24日

穏やかに見えるのに決して抗えない

今過ぎゆくこの時間が

何か憎らしく思えて私は何かの印を残したい衝動にかられて

部屋を見回してまずはカーテンのタッセルを外し

返し刀で古いワンピースをつまんでハサミを入れて

たくさんの瞼柄のような穴を開けたのだけれど

まだまだ物足らない気が治らなくて

昨日作った茹で卵に油性のマジックで

最初は顔のようなモノを書いていたのだけれど

気味の悪い感じになったので黒に赤と青を足してみたら

何かイースターの飾り卵のようになったので

どうせならと思って私は赤で全体を塗り潰していた

明らかな奇行である

マダラな見た目の悪い色具合がそれを物語っていた

祭りの仮装を作り損じたような少しもの悲しい夜だった

 

譜奏406