この前は家出をした冬の話をしましたね
でもわたしあれから嫌いだった冬が好きになったの
こんなおばあちゃんになっても
あの日のわたしが一番好き
きっとどこかに何かがあるって
そんな気しかしなかったから
でも急ぎすぎたみたい
夢をみつけた気になってそれが粉々になって
これってわたしの夢なんかじゃなかったって
泣いたり笑ったり大騒ぎ
それから若さを使ってたくさんの卑しいことをしちゃったけど
その時は女の価値がこんなに早く消えちゃうって知らなかったから
結局売れないパントマイムみたいな人生になっちゃった
ダメねぇ、不健康なプライドは、女だけの毒なのかもしれないわ
譜奏394