2018年10月17日

抽象画のような糸口のない孤独を隠して

私は単色になった朝のドアを開ける

出生の分からない概念を立体写真のように疎ましく

すぐにも破り捨てたいと思いながら

そうしてできる陥没したような空洞をより怖れて

怖れる自分をさらに疎ましく嫌悪して

誰かが言った

人生は回り回るメリーゴーランドだと

いかにもムリのある比喩と感じながら

私が考えることにブレーキをかけて

最後にはその比喩に緩和されることを受け入れていたのは

習慣的な単なる心の癖なのではと思った

堆積を潰して怖れの空洞を真新しいキャンバスと気づけば

ただそれだけで私の絵は自由に描がかれていたのだから

 

譜奏286