2018年8月22日

信号の青のタイミングが悪い日

止まるたびに私は思ってしまっていた

主語が探せないリフレインのように

きっと明日には分かると

私は自分という人間を生きているはずなのに

一方で深い森にさ迷う心細さに抑圧されながら

何かを待っている自分を見ないようにして

その反動の力で振り返ることを忘れたのかもしれない

今日私は垂直で細い字を見慣れない人のように書いた

その文字をどうしたら消せるだろうと怖れた時

不意にフロントガラスに

何かを表わそうとするような雨が

はしゃいでいるかのように

一群の音符のように降り出していた

 

譜奏261