2018年7月2日

白のロウソクが私は怖くて苦手だった

初めて見たのが停電になった私の誕生日の日というのも

さらに不気味に思えて嫌いになった理由かもしれない

その灯の中

父だったか母だったかいそいそと笑顔いっぱいで

私の前にホワイトケーキをドンと置いて

そして黄色の小さなキャンドルと

赤、緑、青、白の5本をケーキに刺して

姉と三人で私にハッピーバースデーを歌ってくれた

太いケモノのように見えるロウソクと同じように

鈴の音のように踊るキャンドルが私にはただ不思議だった

大人になって初めての訃報の中で私は

ロウソクは悪魔から身を守るために作られたと知って

無邪気だった家族を胸に目を閉じ唇を歪めた

 

譜奏240