太陽光を浴びた古いガラスの窓から
だんだんと紫になっていく光が射し込んでいる
その陰のような白漆喰の壁に飾られた大きな絵の中で
小さな子に聖書を教えて
一緒に讃美歌を歌っている教会の柔らかな日曜日が
遠くに揺れる水絵のように描かれていた
この光景から憎しみに囚われる将来は描きにくい
しかし人は時に毒で死ぬのを待てないほどの
哀しい感情に侵されていく自分に出会うことがある
人の持つ何がそうさせるのだろうかと私は恐れて
紫の光だけではない紫そのものを好むようになった
それから排他的になる自分が加速していった気がしている
今が初めてじゃなく自分が止めない限り
これが最後でもないことを怖れながら
譜奏236