2018年6月22日

太陽光を浴びた古いガラスの窓から

だんだんと紫になっていく光が射し込んでいる

その陰のような白漆喰の壁に飾られた大きな絵の中で

小さな子に聖書を教えて

一緒に讃美歌を歌っている教会の柔らかな日曜日が

遠くに揺れる水絵のように描かれていた

この光景から憎しみに囚われる将来は描きにくい

しかし人は時に毒で死ぬのを待てないほどの

哀しい感情に侵されていく自分に出会うことがある

人の持つ何がそうさせるのだろうかと私は恐れて

紫の光だけではない紫そのものを好むようになった

それから排他的になる自分が加速していった気がしている

今が初めてじゃなく自分が止めない限り

これが最後でもないことを怖れながら

 

譜奏236