2018年6月8日

恋を花のように食べる彼女は

甘いウェーブの髪を針のような直毛にして

肉付きのいい腰に黒サテンを這わせ

舞台に上がってくる女優のように

颯爽とした笑顔を私に向けてきた

彼女はいつものように聞きもしないうちから近況を話し出す

今わたしね3人の男と寝ているの

スタートがそれだった

銀のイヤリングを癖のように触る銀の爪

目をキラキラさせる力がたくましくなっていた

もうこの目は白の薔薇のことなど忘れているのだろうと思った

白も重ね続けると白のままではいられない

私は彼女の愛への心気症を愛しい想いでみつめて

母性のように微笑み返していた

 

譜奏230