恋を花のように食べる彼女は
甘いウェーブの髪を針のような直毛にして
肉付きのいい腰に黒サテンを這わせ
舞台に上がってくる女優のように
颯爽とした笑顔を私に向けてきた
彼女はいつものように聞きもしないうちから近況を話し出す
今わたしね3人の男と寝ているの
スタートがそれだった
銀のイヤリングを癖のように触る銀の爪
目をキラキラさせる力がたくましくなっていた
もうこの目は白の薔薇のことなど忘れているのだろうと思った
白も重ね続けると白のままではいられない
私は彼女の愛への心気症を愛しい想いでみつめて
母性のように微笑み返していた
譜奏230