星を見ても何も感じない夜
私を複雑な無色に見せている迷彩は
私自身が眠りの中で描いていた濃淡なのだと
深い眠りの底の住人が教えてくれた
あなたは毎夜訪ねてきますよ
裸足でね
哀れだと思っていましたけどね
瞼を開けたことがないから
そう言っていた気がした
しかし私の目に見えていたのは
ペンローズの面のように広がる区切りのない道だった
この人は少なくとも1度は私に嘘をついていると思った
だってメビウスの輪は少女のようにみつめなければ
呪いのようには終わらなかったのだから
譜奏228