2018年6月4日

星を見ても何も感じない夜

私を複雑な無色に見せている迷彩は

私自身が眠りの中で描いていた濃淡なのだと

深い眠りの底の住人が教えてくれた

あなたは毎夜訪ねてきますよ

裸足でね

哀れだと思っていましたけどね

瞼を開けたことがないから

そう言っていた気がした

しかし私の目に見えていたのは

ペンローズの面のように広がる区切りのない道だった

この人は少なくとも1度は私に嘘をついていると思った

だってメビウスの輪は少女のようにみつめなければ

呪いのようには終わらなかったのだから

 

譜奏228