眠れぬ夜を過ぎて
その理由に行き着けないまま
雨だから開ける必要もないカーテンの無地をみつめて
私はその無地に同調していく私の精神を
引き止める単語を呪文のように探す私に衰弱していた
そして溢れるように動いて
自分の変化を喜んで引っ越しした時に買った2対の
今は時の曇りが痣のようになっていたグラスを
投げ割った
主の顔も声も浮かばない黒白の名刺を
何かのモニターを覗くように
そこに写っているはずの確かに居たウェーブの
髪を揺らしていたはずの私を
探しているかのように
譜奏194