2018年3月16日

眠れぬ夜を過ぎて

その理由に行き着けないまま

雨だから開ける必要もないカーテンの無地をみつめて

私はその無地に同調していく私の精神を

引き止める単語を呪文のように探す私に衰弱していた

そして溢れるように動いて

自分の変化を喜んで引っ越しした時に買った2対の

今は時の曇りが痣のようになっていたグラスを

投げ割った

主の顔も声も浮かばない黒白の名刺を

何かのモニターを覗くように

そこに写っているはずの確かに居たウェーブの

髪を揺らしていたはずの私を

探しているかのように

 

譜奏194