ふと気分がしなやかな夜
人は過ちもあった過ぎた日を振り返り思う
自分は精一杯生きてきたのだろうかと
少しばかり正しいとばかりは言えなくとも
自分なりには懸命に生きてきたはずだと
そしてそれは概ね正しくその人は賢明な人だと言える
何より明日に前向きな姿勢がその人の基本にあるからだ
私の周りにいるそういう人は振る舞いも柔らかく
自制された忍耐強さを持つ愛すべき人達だ
しかし私はその人達と話していると
いつも疎外されていく自分しか感じないで生きてきた
何故だろうと思った時期もあったが理由ははっきりしている
私は振り返ってしまえば未来という獣が
自分の後ろに立っている気がしてならなかったのだ
譜奏193